現場に引かれた固定電話(アナログ回線)を、4G/LTEを使った電話設備へ切り替える動きが広がっています。

単に「電話機を置き換える」だけでなく、その回線が担っていた通報や設備連携まで含めて再設計することが、移行を成功させるポイントです。


なぜ今、固定電話から4G/LTEへの移行が進むのか

背景には、通信環境の変化があります。国内の携帯電話網では3G(FOMAなど)サービスがすべて終了し、固定電話網もIP網への移行が進んでいます。あわせて、現場ごとに引かれた固定回線の基本料や保守の負担を見直したい、というニーズもあります。

一方で、緊急通報や設備監視に使われている回線は、止めるわけにいきません。だからこそ、移行は「置き換え」ではなく「役割の棚卸し」から始めます。

各サービスの終了時期や移行スケジュールの詳細は、利用中の通信事業者の公式情報や回線終了への対応もあわせてご確認ください。


まず、その回線が何をしているかを整理する

移行前に、対象の固定電話回線が担っている役割を洗い出します。

  • 誰が、どこへ、どんなときに発信しているか(受付、コールセンター、管理者呼び出しなど)
  • 着信を受けているか。受けているなら誰が対応しているか
  • 非常ボタンや設備の異常接点が、その回線経由で通報していないか
  • FAX、警備会社への自動通報、他システムとの連携がぶら下がっていないか

「通話だけ」なのか「通話+通報+設備連携」なのかで、移行の難しさが変わります。設備連携がある場合は、その信号の受け口も、KMAXの遠隔監視ソリューションのような新しい構成へ引き継ぐ必要があります。


4G/LTEへ移行する基本パターン

KMAXでは、主に次の2つのパターンで移行を検討します。

1. ホットライン端末へ置き換える

受話器を取る、またはボタンを押すと決まった相手へ発信する用途なら、4G LTE/VoLTE対応のホットライン端末「Lucatel CML-200」へ置き換えられます。

KMAXホットライン端末「Lucatel CML-200」

固定電話回線を使用せず、モバイル通信で発信する構成です。複数の発信先設定、応答しない場合に次の発信先へ順に発信するループコール(通常発信)、時間帯・曜日による発信先切り替えに対応し、2入力・2出力のI/Oで非常ボタンや設備信号も受けられます。設定変更はSMSを使って遠隔から行えます。

2. 既存の電話機を活かす

今使っている一般電話機(RJ11接続)をそのまま使いたい場合は、4G/VoLTE回線と電話機をつなぐオートダイヤルフォン「Tel-Hub KWT-65」を用います。

KMAXオートダイヤルフォン「Tel-Hub KWT-65」

受話器を上げると登録先へ発信するホットライン動作と、通常のダイヤル発信に対応します。ただしKWT-65はI/O(接点入出力)を持たないため、設備の異常接点を扱う場合は別の構成が必要です。

屋外や公共施設の緊急電話としてまとめたい場合は、3件の発信先を割り当てられる4G LTE対応の壁掛け型緊急電話「CET-903」のような選択肢もあります。


移行前に確認すること

  • 設置場所の電波状況(利用予定キャリアのエリア、金属筐体・地下などの遮蔽)。必要に応じて外部アンテナを検討する
  • SIM契約に音声通話・VoLTE・SMSが含まれているか
  • 非常ボタン・設備接点の方式(NO/NC)、電圧、配線長。新しい端末のI/O仕様と適合するか
  • 通報先とスケジュール運用(誰が一次受け、応答なし時はどうするか)
  • 停電時・通信障害時の動作。緊急設備は設備側の安全機構を残す

移行のリスクを下げる進め方

一度に全回線を切り替えず、影響の小さい回線から段階的に移行すると、問題の切り分けがしやすくなります。

切り替え当日は、発信・着信、非常ボタンからの通報、受電側での識別(どこからの通報か)を実際にテストしてから旧回線を解約します。


まとめ|移行は「電話機の交換」ではなく「回線の役割の棚卸し」から

  • 固定電話から4G/LTEへの移行は、電話機の置き換えではなく回線の役割の棚卸しから始める
  • 通話用途はホットライン端末(CML-200)、既存電話機を活かすならTel-Hub(KWT-65)が基本パターン
  • 設備の異常接点を扱うなら、I/Oを持つ端末や構成を選ぶ
  • 電波・SIM契約・I/O仕様・通報先運用・障害時動作を事前に確認する
  • 影響の小さい回線から段階的に移行し、通報テストを経て旧回線を解約する

「電話機を変える」のではなく、「回線が担っていた役割」を引き継ぐ。

「この回線が何につながっているか分からない」「非常通報も一緒に移せるか知りたい」といった段階でもご相談いただけます。現在の回線の使われ方と現場環境を確認し、移行構成をご提案します。