高齢者施設では、居室や共用部からの呼び出し・見守り信号を「誰が」「どの時間帯に」受けるかが重要です。
ここでは、既存の呼び出し設備や見守りセンサーの信号を、携帯回線経由で必要な相手へつなぐ構成を想定例として紹介します。実在する特定の導入事例ではなく、KMAX製品で構成できる一例です。
なお、見守り信号そのものの検知(センサーや呼び出しボタンの判定)は施設側の設備・外部システムが担い、KMAXの役割は主に通信・通報部分です。
想定される課題
- 夜間・早朝など、スタッフが少ない時間帯の呼び出しに気づきにくい
- 施設内のPHSや構内電話だけでは、外部の当番・家族・監視センターへ届かない
- 固定電話回線の維持や、離れた棟・屋外への配線が負担
- どの居室・どのエリアからの信号か、受け手が把握しにくい
現場の状況
- 既存のナースコール/呼び出しシステム、または見守りセンサーが、呼び出し時に接点信号または電話側のトリガーを出せる
- 共用部・浴室・屋外通路など、独立して通報させたい箇所がある
- 日勤・夜勤・オンコールで対応者が変わる
従来の対応
- 施設内の呼び出し表示・PHSで受ける前提で、外部への連絡は電話をかけ直す
- 夜間対応は特定の職員の携帯へ個別連絡
- 通報元の特定を口頭確認に頼る
発生する問題
- 施設内で受けられないと、対応開始が遅れる
- 個人の携帯番号に依存し、担当交代のたびに設定変更が必要
- エリアの取り違えが起きうる
システム構成
既存設備の信号を携帯回線へ乗せる構成です。
既存の呼び出し/見守りシステムの出力(接点信号、または電話側トリガー)は、接点で受ける場合ホットライン端末「Lucatel CML-200」(2入力)へ、箇所が多い場合はI/O HUB「XIO-106」を併用します。既存電話機・電話回線側で受ける場合は、「Tel-Hub KWT-65」(RJ11接続の電話機を4G/VoLTEへ)を用います。
接点入力を通報系統ごとに分けられ、時刻・曜日で通報先を自動切替できます。受電時ガイダンスで系統(エリア)を伝えられます。
既存の電話機を携帯網へつなぐ機器で、I/O(接点)は持ちません。センサーやボタンの判定は外部システム側で行います。
いずれも固定電話回線を使用せず、モバイル通信で発信する構成です。
処理フロー
スケジュール判定では、日勤は施設内当番、夜勤はオンコール・監視センター、というように振り分けられ、対応者は訪室・救急要請・家族連絡などを判断します。
この構成でできること
- 施設内で受けられない時間帯でも、外部の対応者へ通報できる
- 通報先を時間帯・曜日で自動的に切り替えられる(担当者の携帯番号に固定しない)
- エリア(系統)ごとに通報を分け、受け手が発信元を把握しやすい
- 既存の呼び出し・見守り設備を活かして、通信部分だけを更新できる場合がある
導入時の検討ポイント
- 既存システムが出せる信号の種類(無電圧接点か、電話側トリガーか)と条件
- 独立して通報したいエリアの数(2系統を超える場合はXIO-106の併用を検討)
- 通報先と時間帯運用、応答がない場合の二次対応(CML-200のI/O通報はループコール未対応)
- 設置場所の電波状況、建物構造による遮蔽、外部アンテナの要否
- 停電・通信障害時の扱い。人命にかかわる用途では施設側の既存対応手段を維持する
- 入居者情報・個人情報の取り扱いは施設の規定に従う
通報先を時間帯・曜日で切り替える設計の詳細は、非常ボタンの設置方法と通報先の決め方でも解説しています。
KMAXの関連製品・サービス
4G LTE/VoLTE対応ホットライン端末。2入力・2出力のI/O、通報先スケジュール、受電時ガイダンス、SMS遠隔管理に対応します。
既存のRJ11電話機を4G/VoLTEへ接続するオートダイヤルフォンです(I/Oなし)。
接点を集約する独立機器です(通報エリアが多い場合)。
これらを組み合わせたKMAXの遠隔監視ソリューションは、検知・通信・通報・対応をつなぐ構成です。見守り・呼び出しの検知部分は施設側設備または外部システムが担います。
まとめ|「必要な人へ」「必要な時間帯に」つなぐ設計
高齢者施設の緊急通報は、既存の呼び出し・見守りシステムの信号を、携帯回線経由で「必要な人へ」「必要な時間帯に」つなぐ設計がポイントです。
接点で受けるならCML-200(多エリアはXIO-106併用)、電話回線側で受けるならKWT-65を用い、時間帯で通報先を切り替えます。
検知は施設側の設備に任せ、KMAXは「必要な人へ、必要な時間帯に」つなぐ通信・通報を担う。
「既存の呼び出しシステムの信号を外部へ飛ばせるか」「夜間だけ通報先を変えられるか」といった段階でもご相談いただけます。既存設備の仕様と対応体制を確認し、適した構成をご提案します。
KMAX